《MUMEI》

「ここ収納が少ない!」


一般的なサイズなのだが、さっき見た物件の収納が大きかっただけに、気になるようだ。


「そう?こんなもんよ」


「いやダメ!俺、服とか靴とか雑貨とか、とにかく色々あるから収納は重要!」


重要って・・・


「じゃぁ、さっきのところにすれば?あそこ収納がたくさんあったじゃない?」


「あそこは立地も悪いし、壁紙も気に食わないって言っただろ?」


太一のマンションに行く前に、佐久間に決めてもらいたくて必死に言った。


「壁紙は変更できるか交渉してみるから!」


なのに・・・


「壁紙は変更できても立地は変更できないだろ?」


佐久間は自分のこだわりを押し通した。


それを聞いて、次が太一のマンションなだけに私は相当イライラしていた為、


「そんなことばっかり言ってたら、引越しなんて出来ないわよ!」


思わず怒鳴ってしまった。


一瞬、静かになり、


そして怒鳴られた佐久間は


「でも、もう一件残ってるんだし・・・そんなに怒らなくても・・・」


唖然としていた。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫