《MUMEI》
文化祭
考えても、考えても整理がつかない・・・

ただあの日・・・二つだけ気付いたことがあった。
名波先生を好きだという自分自身の気持ちと、先生は今、幸せではないということ・・・

先生は悲しい顔をしていた。あの表情から、幸せな思い出話をしてるとは思えない。
百花が話してくれた、『離れられない人』とは、たぶん、南十字星の彼女の事だろう。

今、その人と付き合ってるの?って聞けば良かった。


雨に濡れたせいで、私はあの日から熱を出して寝込んでいた。

百花は心配して何度も電話をしてくれたり、お見舞いにも来てくれていた。

当日も私と連絡がつかないことを心配して、あの雨の中、家にまで来てくれたらしい。
すぐに、私が見つかったことを名波先生が連絡してくれたので、安心したと言っていた。

二日ほど休んで、学校には登校したが、ほとんど先生と個人的に会話することはなかった。

初日に一度だけ呼び出されれたが、「大丈夫か?」と聞かれただけで、会話には発展しなかった。

私はどうなりたいのだろう・・・

先生に好きな人がいると、本人の口から聞いて、とてもショックだった。

だって、抱きしめられた感触を未だに覚えているから・・・。まだ幸せそうな方が、諦めがつく。

もっと知りたい。先生の事・・・それが本音だった。

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