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《MUMEI》 そもそも何故こんな事になったかというと… 一週間前の水曜日。 『いらっしゃい、蝶子』 『こんにちは、愛理さん』 私は、雑貨屋『アニバーサリー』に買い物に来ていた。 これから暑くなると、『シューズクラブ』に持っていく『本日のケーキ』も、ムースを使ったやわらかく崩れやすい物になる。 日によっては、プリンやゼリーも出したい。 そのための、使い捨ての容器を店長の愛理さんにいくつか頼んでおいたのだった。 『休みなのに、大変ね』 『いえ、ちょっと店内見て帰っても、いいですか?』 私は、『アニバーサリー』の可愛い雑貨が気になった。 『いいわよ。荷物預かるわね』 『ありがとうございます』 私は購入した容器の入った袋を愛理さんに預けて店内を見て回った。 バック・帽子・アロマグッズ・キッチン小物・アクセサリー それから… (ん? あれって…) 化粧品のコーナーに、茶髪頭が見えた。 そっと近付いて確認すると… その『男性』は、真剣にネイルを選んでいた。 『和馬さん?』 『わ！ ちょ、蝶子ちゃん！ こここ、こんにちは』 和馬は今まで見たことも無いくらい慌てた。 前へ |次へ |
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