《MUMEI》
*純白*
店員は瑠果に何着かドレスを選ばせると、順番にあてがう。

すると、

「紫堂」

瑠果は鏡越しに後ろにいる執事に話し掛ける。

「お前は‥どれが似合うと思う‥?」

「どれもお似合いですよ」

すると瑠果は一着を手にする。

「よし、決めたぞ」

瑠果が選んだのは、バラのコサージュがついた純白のドレスだった。

バラは彼女の大好きな花であり、また彼女の父も大好きな花だった。

「それで宜しいですか?」

と店員が聞いた。

瑠果が頷くと、店員は奥から何かを持って来る。

それは、小さな白い箱だった。

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