《MUMEI》
*公園*
2人は喫茶店を後にすると、一休みする為に公園に立ち寄った。

人影はまばらだ。

秋色に染まり始めた木々の葉が、風で揺れている。

その葉のざわめきを聞きながら2人はベンチに腰掛けていた。

瑠果は満腹で眠くなったのか、紫堂に持たれかかっている。


「‥‥‥‥‥‥」

誰かの話し声が聞こえたが、もうそれはほとんど彼女の耳には入って来なかった。

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