《MUMEI》
*唖然*
「‥‥‥‥‥‥‥」

「お運びしましょうか、ベッドまで」

「いや、自分で行‥」

「お運びしますね」

「ま、まだ何も言ってはいないぞ!?──勝手に抱くなッ」

「大人しくしてて下さいね、お怪我をされては大変ですから」

「降ろせッ」

だが紫堂は笑みを浮かべるばかりである。

彼は屋根裏から降りて瑠果を部屋まで運びベッドに降ろしてやる。

「ではごゆっくりお休み下さいませ」

唖然とする瑠果の様子には気付かないかのようなそぶりで、紫堂は部屋を出て行った。

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