《MUMEI》
ステッキ中
セイントの前には半紙があった。
今にも飛ばされそうなので文鎮を置いた。
セイントは悲しくなった。自分のGを狙って、姉があのような姿になってしまった。

セイントは地面にめり込んだ。
セイントの病は確実に彼の命を削り、彼を死へとひきずりこんでいる。
恐怖で空けた穴は、こんなに深くなった。
もう自力では出られない。穴の上が海藻でおおわれたが、セイントにとってはもうどうでもよかった。

セイント「恐か。姉さん、僕、恐か。助けてくれんかのう。」

もう声は海藻のせいで届かなかった。

そうだ。海へ行こう。
セイントは思った。

その前に、自分の生きた証を書にのこそうと思った。
一筆一筆ていねいに、8画かいた所で書を終えたセイントは、Gをつかい、海へ向かった。
もう空に海藻はなかった。

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