《MUMEI》
神と魔王の大困惑
快楽が魔界に移動したとき、神はあまりに現実味の無い快楽の動きに困惑していた。

魔界に行けるのは神、もしくは上級天使が100人集まり、ようやく魔界への移動が成立する。

つまり快楽は神に匹敵する能力を持っていることになる。

神としては、まさか魔界に行くとは思っていなかった。
魔界には負の感情が無いと聞いていた、それに天使は魔界に行く力がないから注意するのを忘れてしまっていた。



「しまったのぅ、あやつに言うのを忘れとった、…"天使が魔界に行くと二度と帰って来れない"と言うのを…」

快楽ならそんな事になっても何事もなく生きていきそうだが今回はこちらのミスでもあった。

…責任は自分にあるだろう…

そう思った神は久しぶりに魔王に会いに行くことにした、

…まあ相手はあの魔姫じゃしの…

魔界に行こうとする神の横顔は…どことなく、楽しそうだった。



なにしろ久しぶりに"戦友"に会うことが出来るのだから───




魔王、シギはミスアが天使と共に人間界に脱走したという知らせを受けた後、その行動を手頃な窓に撮しながら見ていたが…

まさかあの少年、緑妖死鬼が"表に"出て来るとは予想しなかった。

「アイツは10年前、俺と神で抑えたはず…まぁ大方ウチの娘とあの天使の魔力に反応したってとこか…」

…だとするとあの天使、神と同じかそれ以上の神力を持っていることになるが…何者だアイツ…

そんな事を考えていたら、不意にシギの座っていた玉座の前に光り輝く門が出現した。

驚きは無い、何故なら顔知った戦友が中から出てきたからだ。
その戦友にシギは軽快に挨拶した。

「よう♪久方ぶりだな!元気してたかよ!?」

「確かに、久し振りだのぅシギ」

「その爺クセエ喋り方はなんだ?まだ26のクセしてもう脳の衰退が始まったか?」

「いいじゃないか…威厳だしたかったんだよ…そういうお前は相変わらずだな」

「ほっとけ、だいたい威厳なんて物は後から来るもんだろ、そんなん気にしてるのはお前ぐらいだぜ?"破壊聖の静負"君?」

「その名で呼ぶなよ…昔の名だろう?"暗白鬼のシギ"君」

「てめぇも言ってんじゃねぇか…だいたいそんな事言いにきた訳じゃねぇだろ?」

「まあ…君も知ってるだろう?あの少年が表に出てきたことくらい」

神と魔王は昔一緒に戦った、相手は誰でもない当時5歳だった緑妖死鬼である。

神と魔王は人間界に現れた、理由は簡単。


"息抜き"、だ。




───平和=知らないこと へ続く

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫