《MUMEI》
*感覚*
「お嬢様」

「‥‥‥‥‥」

「お嬢様、止まりましたよ」

「‥‥‥?」

恐る恐る目を開ける。

揺れは確かに止まっていた。

「‥‥‥‥‥」

「大丈夫ですか‥?」

「あ、ああ。何とか‥な」

その声は震えていた。

まだ揺れているような感覚がして、何とも気持ちがスッキリしない。

「すまん、しばらくここに居てくれるか」

「はい、そのつもりです」

それを聞いて安心したのか、瑠果はようやく笑顔を見せた。

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