《MUMEI》
五年ぶりの再会
金曜日最後の授業も終わって、敦君と一緒に河原町へと移動する。


「私、奈美に会うの五年ぶりなんだよ!すっごい楽しみ〜」


私は移動するバスの中でも大はしゃぎした。


「奈美もメッチャ喜んどったわ。俺に感謝してや」


「はいはい。感謝してますよ!わりと恩着せがましいんだね…」


そんな風に言い合いながらも、奈美との再会で胸がいっぱいになった。





「なんか、すっごい緊張してきたー!」


待ち合わせ場所に着くと余計に緊張が増す。


「緊張なんかする必要ないと思うけど…」


敦君が冷めた目で私を見て言う。


「だって私は五年ぶりなんだよ!緊張するに決まってるじゃん」


心臓がドクンバクン鳴っているのが分かる。


「うわぁーマジでやばいくらいに緊張するー」


私がジタバタ騒ぐと、


「お前うるさいなぁーっ。もう少し静かに……あっ!奈美………えっ…」


敦君の見ている方を私も急いで見る。


「えっ、奈美?どこどこ?あっいた…………えっ…」


どういうこと…???



五年ぶりに会う奈美の横には鈴木がいた…

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