《MUMEI》

奈美が敦君を見つけて、こちらに鈴木と手を繋いで駆け寄ってくる。


私は心臓が止まってるんじゃないかと思うくらい動けなかった。


敦君は私と鈴木が顔を合わすことにオロオロして挙動不審。


そして鈴木も動揺を隠せない表情でいる。




しかし奈美は…


「美樹ちゃ〜ん!
久しぶりぃー♪こんな風に再会できるなんて、すっごい嬉しい☆」


キャッキャ キャッキャと実に楽しそうにしている。


まさか…神戸の女って…


私は声が震えそうなのを一生懸命に抑えて言った。


「久しぶり……奈美…変わってなくて良かった…私も今日会えるの…すっごい楽しみにしてたんだ…」


「私も美樹ちゃんがメッチャ派手な人になってたらどうしよって心配やって」


同じこと思ってたんだ…


「それにすんごい緊張するから、彼氏についてきてもらった♪」


奈美の発言で一瞬空気が凍りついた…


か…れ…し…?

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