《MUMEI》
*安眠*
「‥‥────」

しばらくすると、瑠果は寝息を立て始めた。

その穏やかな寝顔を見つめ、紫堂は微笑を浮かべる。

まだ時折微かな揺れはあるが、それはほとんど感じない程度だった。

「──────」

安心したその途端、急に眠気が襲ってくる。

眠ってしまう訳にはいかない。

だが、瞼が自然と下がってくる。

「──────」

床に座ったままの態勢で、紫堂は眠りに就いた。

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