《MUMEI》 *心地*瑠果は本当に夢見心地だった。 何もかもが眩しく輝いて見える。 そして気付く。 これはこれから始まる幸せな日々の始まりなのだ、と。 だからといって、瑠果は今まで通りの関係を変えるつもりはない。 それは紫堂も同じだった。 お嬢様と執事、その関係は変わらない。 2人にとってはその方がいいのだ。 「──お嬢様」 教会の外に出ると、紫堂が瑠果に何かを差し出した。 前へ |次へ |
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