《MUMEI》
自虐的
「でもさぁー、"貴士くん"も良かったよね!
そんな馬鹿な女とさっさと終って、今はこんなに素敵な奈美って彼女ができて、本当に幸せでしょ?」


私はもうヤケになって自虐的になり始めていた。


しかし奈美は私のその言葉を喜ぶ。


「ノロケやけど・・・貴士、私のことめっちゃ好きなんやて☆」


その奈美の言葉が私を加速させる。


「そりゃそうだよぉー!
バカ女と無駄な時間を過ごす日々に光が差し込んだんだからぁ〜。奈美は太陽だよ!」


奈美は相変わらず喜んで、少し照れながら


「私って貴士の太陽?」


なんて聞いている。


それを聞かれた"貴士くん"も困った顔をしながら頷く。


ふんっ。
バカじゃねぇの(怒


私は七杯目のビールを飲み干し、


「すいませーん!!!ビールのおかわりぃーーー」


大声で注文する。


「美樹子ちゃん、何杯飲んだん?」


敦君が珍しく「美樹子ちゃん」と呼ぶくらい心配している。


「飲んだ量なんか関係ないでしょ!飲みたいから飲むの!!ほっといてよ」


私が吐き捨てると、"貴士くん"がさりげなく敦君に、


「次来たビール飲ませない方がいいよ。八杯目だから・・・」


と、指示をだす。


「なんで私が何杯飲んだか数えてるの?」


攻撃的に"貴士くん"に問い詰める。

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