《MUMEI》

「ごめんね、こんなことして。でも銀二も俺が好きだろう?」

うるせ、名前で呼ぶな

覆い被さられた状態では身体を動かすこともままならず、至近距離の相手の黒い目を睨みつける。

「好きだろう?好きって言って、なぁ、好きって言え!言えよ!!」

穏やかな笑みが反転して、男は手を振り上げた。咄嗟に目を瞑っても、頬に感じる衝撃は変わらない。耳がぐわんぐわんと鳴った。

何コイツ、絶対おかしいじゃんこんなん

「好きなんだ、銀二も俺が好きなんだよな」

ぶつぶつと夢遊病患者のようにつぶやきながら、男は俺のズボンに手をかけた。

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