《MUMEI》

俺は必死に考える。どうしよう?どうしたらいい?
ここは公園、時間は夜、通りすがりに助けを求めるのは多分不可能だ。

『この公園人少ないし怖くない?』
『あー、何か前変質者出たとか行ってたな』
『うわ、怖!』

記憶に新しい会話を思い出す、そうだよ、アイツだ。電話したら、絶対助けに来てくれる。
そこまで考えて、俺は青ざめる。携帯がない。下ろされたスウェットのポケットに入れたはずなのに、足首に感じるのは布の重さだけ。うそ、落とした?

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