《MUMEI》

拾いあげる、ひやりとした湿った紙のカップの感触、中身は入っているしまだ新しそうだ。ストロベリー、あいつの好きな味だ、でも何でここに?
視線をあたりにやると、さらにすぐそこにコンビニ袋が落ちていた。拾いあげて中身を見てみる、カルボナーラにじゃがりことマカダミアナッツ、そして竜田揚げ弁当と伊右衛門のペットボトル。

どういうことだ?

沸き上がる疑問と嫌な予感。あわてて携帯を取り出す、ぱち、と開くがやっぱり着信はない。
電話をかける。数回のコール、そのまま携帯を耳からはなすと、近くから聞こえる聞き慣れた、着信音。

何でこんなところから?

俺はコンビニ袋を引っ提げたまま、木の生い茂る公園に足を踏み入れる。

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