《MUMEI》
*針鼠*
それは、

「針鼠‥!?」

であった。

「なっ‥何ゆえ針鼠がここにいる‥っ!?」

針鼠は警戒する様子もなく、再び丸くなると眠ってしまったのか動かなくなった。

「驚いた‥」

瑠果はしゃがみ込むと、針鼠を見つめる。

「なかなか可愛いな」

「お嬢様‥!?」

「見てみろ冬夜、本当に栗のようだ」

「お嬢様、離れて下さい」

「何故だ?」

その問いには耳を貸さず、冬夜は瑠果を針鼠から遠ざけた。

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