《MUMEI》
*配合*
その後、冬夜はその冠を大事そうに自分の部屋に飾った。

そして紅茶を淹れる為下へと降りる。

準備が整うと、冬夜は瑠果を呼んだ。

午後3時。

ティータイムが始まる。

だが。

紅茶を口にした瑠果の様子が何だかおかしい。

「どうされました‥?」

「いや、何も‥」

そう言って瑠果は角砂糖をカップに入れる。

冬夜は自分のカップにも紅茶を注ぎ、飲んでみる。

「っ!?」

いつも通りの配合でやったつもりだった。

だが明らかに味が違う。

「すっ‥すみません‥すぐ淹れ直し‥」

「いや、気にするな。そんなに悪くはない」

「ぇ、ですがお嬢様──‥」

冬夜は言いかけたが、瑠果の笑顔に止められてしまった。

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