《MUMEI》

「お待たせ」


「遅いよ〜!」


「文句は自分の父親に言いなさい」


瞳さんは涙目の俊彦を睨みつけた。


「さ、こっちが本番だからね。

まずは、乾杯しましょうか?

ビールは辛そうだから、梅ワインならいいかしらね?」


瞳さんの言葉に、私は頷いた。


すぐに瞳さんは梅ワインの入ったグラスを私に手渡した。


「じゃ、改めて。
蝶子の誕生日を祝って」


瞳さんはグラスを軽く上げた。


「乾杯!」


「おめでとう、蝶子!」


「あ、ありがとうございます」


私はすぐに女性陣に囲まれた。


そして、渡されたプレゼントは…


薫子さんと瞳さんさんからは浴衣と帯と下駄


結子さんからはお手製の巾着袋


愛理さんからはネイル


麗子さんからは髪飾りだった。


「おぉ、いいね〜、やっぱり夏は浴衣だよね」


ピンクのバラの花束を抱えた春樹さんがやってきた。

「はい、蝶子ちゃん。ちゃんと二十一本だからね」


「うわっ、キザ!」


「ていうか、お前ワンパターンだよな」


「うるさい!漫才コンビ!そう言うお前等はどうなんだよ」


「「俺達は…」」


祐介さんと勇さんは声を揃えた。

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