《MUMEI》

口の中を支配するタオルをかみ締める、目尻に温かい水がたまる。

やばいやばいやばい

俺は逃れるように腰を引く、個室に連れ込まれたときにぶつけた腰が痛かった、でもがむしゃらに暴れる。怖い。

「動くなよ、動くな」

ぐい、と腰を引き寄せられる。まだひりひりと痛みを持つ肉の間の粘膜に、他人の体温を感じる。気持ち悪い。さらに脚を振り上げる。嫌だ。

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