《MUMEI》

「動くな!」

突如、金切り声。
最初に会った時の穏やかな口調は吹っ飛んで、血走った目が俺を見据えていた。

「動くな動くな何でそんな抵抗するんだよ。好きなんだろ?」

何言ってんだ、そんなわけあるか、死ねマジで死ね

「好きなんだろ?」

ぐぅ、と喉を押さえつけられる、気管が圧迫される。ただでさえタオルを詰め込まれて呼吸しづらいのに、顔に熱が登る。苦しい。
ウソだ、こいつ、マジで?

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