《MUMEI》 俺の必死の願いが届いたのか、再び扉の向こうから電子音が鳴り響いた。やっぱりアイツだ、指定着信のメロディーに確信する。 けたたましさに興がそがれるのか、男は俺の脚を抱えたまま止まっている。そうだ、うるさいからって外にでて携帯とってくれないかな、壊してもいいから。そうしたら、そうしたら逃げられる。 15回分のコールで落ちる静寂。 今度はすぐに鳴り響く電子音。 一瞬の静寂、また電子音、何度も繰り返すサビのメロディー。 ち、と舌打ちが聞こえた。よしよし、苛立ってる。ほら、早く外に携帯取りにいってよ。うるさいでしょ? 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |