《MUMEI》

「あ、英田」
「ん?」
「も、い、から」

声が震える、早くここから出て行きたかった。
俺の意志を察してか、友人は男の頭を放り投げてタイルに落ちていた俺の下着とスウェットを取ってくれた。

「だいじょ、ぶ、自分で、履け、る」
「ん、」

下半身丸出しの自分の格好が、そんな場合じゃないのに、恥ずかしかった。手首が、腕が、首が、胸が、顔が、足が、尻が、全身が痛かった。
どうにか下着とスウェットを履く。震える指先、寒い。

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