《MUMEI》 *毛糸*風がザワザワと梢を揺らし、空からは少しずつ雲が消えていく。 瑠果は開け放した窓から身を乗り出すと、手にしていた枯れ葉を放した。 踊るように宙返りを繰り返し、それは風に運ばれて飛んでいく。 それを見届けると、瑠果は窓を閉めた。 編みかけのマフラーを仕上げてしまおうと思い、瑠果は部屋へと戻った。 揺り椅子に腰掛け、慣れない手つきで編み棒を動かす。 床には、グレーがかった緑色の毛糸玉がひとつ、転がっている。 前へ |次へ |
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