《MUMEI》
*用件*
「どうした?」

瑠果が尋ねると、扉の向こうから執事の声がした。

「あ、すみません。少し──宜しいですか」

「ああ」

瑠果は扉を開けて冬夜を中へ招いた。

すると冬夜は揺り椅子の上に乗った物に気付く。

「それは‥?」

「お前にと思ってな。今作っている最中だ」

瑠果は笑って言った。

「ところで、用件は何だ?」

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