《MUMEI》 「何であそこに俺がいるってわかったわけ?」 「いや、携帯鳴らして・・・・」 俺たちを繋いでくれた、こいつを救ってくれた小さな機械を持ち主に渡す。 「あ、そか。携帯拾ってくれてたんだ。やっぱ落としてたんだな」 「ん、」 「え、でもさ、何で外出てたの?」 「お前が遅いから・・・・あと、煙草買いに」 「煙草?」 「そしたら、公園の前にコンビニの袋が落ちてたから」 「あーそっか。俺なんか色々落としちゃってたね」 「それがよかったんだな」 ヘンゼルとグレーテルみたい、と男には似つかわしくないことを言って、銀二は小さく笑う。 前へ |次へ |
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