《MUMEI》

「──お嬢様」

「‥‥‥‥」

‥だから何ゆえ呼んでもいないのに来るのだ‥?

「最近お前は気を遣い過ぎだぞ?」

「そうですか?」

「‥‥‥‥‥‥」

無意識なのだろうか。

だとしたら幾ら忠告しても‥。

「とにかく無理をするな。休んでいろと言っただろう?」

「すみません‥。では──失礼します」

それを聞いて私が安堵しかけた、その直後だ。

「!?」

階段の方で物凄い音がした。

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