《MUMEI》
毎日の日課
   〜海視点〜


目を覚まし、何となく気だるい体を起こす。


それもそのはず――栄実と公園で話してから寝つきが悪くなって、あまり寝てないのだから。


虚ろな目でふぅ――っと大きな息を吐き、立ち上がる。


痒いわけでもないのに頭をポリポリとかき洗面所へと向かう。

シャカシャカと歯磨きをしながら、栄実のことを考える。


俺と栄実は、いつも一緒に学校へ行く。

毎日、俺が栄実を迎えに家まで行く。栄実の両親は仕事が忙しく、栄実が寝た後に帰ってきて栄実が起きる前に仕事へ行く。

朝の弱い栄実は、目覚ましでは起きられないらしくよく遅刻していた。


そんな栄実を起こすために迎えに行くことが、いつの間にか日課になっていた。


今日も栄実を迎えに行くため、俺は朝早く家を出る。

俺が迎えに行ってから栄実は目を覚まし支度を始めるため、早めに出ないと間に合わないのだ。

身支度をテキパキとし、軽く朝食を食べ、栄実の家に向かう。

15分ぐらい歩き、栄実の家の前に着いた。


なんとなく緊張してしまってインターホンを押す指が震えていることに気付く。

スーハースーハー

大きく息を吸いゆっくりと吐き出す動作を何回か繰り返し、インターホンを押す。

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