《MUMEI》
勘違い
   〜麗羅視点〜


えっ何・・・!?

何でこっちに向かって歩いてくるの?

ヒソヒソ軍団一員は、教室に入ってきてからずっと俯き顔を隠しているので表情が見えない。


表情が見えないことで、相手に対する恐怖心が増す。


また前みたいに酷いこと言われるのかな・・・?

周りの人の言うことがあまり気にならなくなったのは事実だが、面とむかって言われるとなれば
気にならない訳がない。


私のすぐ近くまでヒソヒソ軍団一員が迫ってきた。


ビクッ――。


っとしたのは、私ではなくて意外なことに相手だった。

ビクッとした時に、顔を隠していたゆる巻きの髪と口に当てられていた手が顔から離れ

相手の表情が露わになった。

その表情には、怒りや憎しみなんて欠片もなくてただただ悲しみだけがあった。


私と目が合うと、その子は慌てて頬を伝って流れていたものを手で拭った。


目を泳がせながらその子が控えめに口を開く。


「・・・・・いつからいたの?」

その質問に私は、驚きながらも答える。

「えっと、あなたが入って来る前からいたけど・・・」

もしかして・・・
私が教室に居るの気づかなかったの?

私に向かって歩いて来てた訳でもない・・・のかな?

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