《MUMEI》
七夕饅頭イベント
誕生日パーティーは終盤に入った。


「大丈夫?やこちゃん、せいこちゃん」


双子は眠そうだった。


(もうちょっと頑張ってね)

和馬が大人しいのは双子のおかげだった。


(頑張ってと言えば…)


私はチラッと部屋の隅を見た。


「あぁ〜、蝶子ちゃん可愛いよ〜、もっと近くに行きたいよ〜」


「いい加減にしろ、俊彦」

「克也の鬼!悪魔!」


(すみません、克也さん)


私は克也さんに軽く頭を下げた。


私と目が合った克也さんは、深く頷いた。


「いいんだ!一発逆転七夕饅頭があるから!」


?


俊彦の意味不明の発言の理由は


しめのざるそばを食べて


厨房の祐介さんと勇さんが店内に出てきて


瞳さんと春樹さんが私の両側に来た時にわかった。


「本当は、蝶子の誕生日だから、ケーキにしようかなとも思ったけど、七夕だから、これから七夕饅頭イベントするわね」


「七夕饅頭イベント?」


(何?それ)


「そっか、蝶子は初めてだっけ」


瞳さんの言葉に私は頷いた。


「野郎共、彦星になりたいか〜!」


(わ、びっくりした)


春樹さんの気合いの入った声もそうだが…


何よりも

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