《MUMEI》 〜♂〜♀〜♂〜♀〜♂〜♀〜♂〜 僕らが居なくなったジャグジーバスの中には、薔薇の花びらに混じり、何やら白い浮遊物が漂っていた――…。 カオリちゃんは疲れ果て、ベッドの上で静かに寝息を立てている――…。 僕はその傍らで、彼女の美しい寝顔に見とれていた。 「愛し過ぎて――……いっそ壊してしまいたくなる―…。」 ボソリと吐いた台詞に答えるかのように――… 彼女は寝返りを打って僕の腕に甘えてきた。 「――……。」 僕はその身体をただ抱きしめていた――……。 中島や花沢さん…全てを敵に回してもいい……。 大切なのは彼女だ――……。 ――妻とは別れよう……。 ――妻と別れてカオリちゃんと一緒になろう……。 僕は、そんな決意を密かにした。 ――――そんな時。 前へ |次へ |
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