《MUMEI》

だが冬夜は‥私の心配に気付いているのかいないのか‥。

彼がそれで満足ならば私はそれで良いのだと思う。

だが‥。

私はこのまま彼に頼るばかりで本当に良いのか‥?

「あの、お嬢様」

「!?っ‥な、何だ?」

「ナイフとフォークを持つ手が左右逆になってますが‥」

「!!っ」

何をしているのだ私は‥。

「デザートお持ちしましょうか」

「?──あ、ああ。では頼む」

どうやら彼は楽しんでいるようだ。

ならば執拗に心配するのは止そう。

私に出来るのは彼の命令に従う事──只それだけだ。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫