《MUMEI》

(あの中でまともそうなのは…)


目がギラギラしていないのは


私の見る限りでは


雅彦と克也さん位だった。

イベントは独身のみの参加だから、衛さんは不参加だった。


春樹さんも、去年彦星だったからという理由で不参加だし。


そして


運命の時がやってきた。


「せ〜の!」


男性陣が一斉に選んだ七夕饅頭を割り、中身を確認した。


俊彦の結果は、春樹さんが確認しなくてもわかった。

(…燃え尽きてる)


俊彦は、声も出ないほどショックを受けて固まっていた。


「あ〜あ、残念」


和馬の声に、私はホッとした。


孝太は無言で春樹さんに中身を見せている。


(まさか…)


緊張の一瞬。


春樹さんは中身を確認して、孝太の隣の雅彦の前に移動した。


(良かった)


どうやら孝太は外れたようだ。


春樹さんは確認を続けた。

数分後。


「あれ〜、おかしいな〜」

春樹さんは首を傾げた。


彦星が見つからないのだ。

「もう一回!もう一回!」

俊彦が復活した。


「まぁ、待て」


春樹さんが質問した。


「誰か、帰った奴や、今日欠席した奴知らないか?」

皆は周りを見渡した

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