《MUMEI》
フランス料理
「今日は直帰だよね?」


佐久間は知ってるくせに改めて確認してくる。


「今日のお礼にご馳走しようと思って、店を予約したんだ!」


そう言って佐久間が私を連れて行ったのは、高級そうなフランス料理屋だった。




「え……ここ?」


「そうだよ。さ、行こう」


私は予想外の高級店に驚きながらも、佐久間が無理をしているんじゃないかと心配になった。


「大丈夫なの?」


「何が?」


何が?って……ピンと来ないってことは大丈夫なのかしら…


「今日はコースを頼んどいたから。あ、苦手な食材とかある?」


「特にはないけど…」


私は佐久間の慣れた感じが気になった。


「このお店には………よく来るの?」


「年に数回かなぁ…」


数回も来るんだ…


意外な答えに驚いた。

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