《MUMEI》 その名前を見た途端、嫌な予感が立ちこめる―――… 僕は未開封メールをクリックした…。 「○月○○日△△時、下北沢で待ってる。」 果たし状のような書き出しで始まる文面には、僕の都合を確かめる配慮は無い。 役人の中島らしいと言えばそれまでだが、どこか冷たさや憤りといった感情を感じさせる―…。 この時間に送ってきたということは、もしかしたら彼の妻――…カオリちゃんと僕との関係に気付いたか―――… …もしくは、疑っているのかもしれない…。 ―――「ふぅ……」 僕は、やるせなさを溜め息と共に洩らす…。 前へ |次へ |
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