《MUMEI》

まるで、宝石をちりばめたような空。

「──────」

星を眺めるのは楽しい。

気のせいだろうか。

どこからか小さくベルの鳴る音が聞こえてくる。

空耳かも知れんがな。

「──お嬢様、ここにいらしたんですね」

「おお、よく分かったな」

「お部屋にいらっしゃらないようだったので、ここではないかと思ったんです」

それを聞いて、私は思わず苦笑した。

なるほど、彼はなかなか鋭いな。

私の居場所を突き止めるとは。

「星を見てたんですか?」

「ああ。この夜は特別だからな」

「そうですか──」

「綺麗だろう?」

「はい、本当に──」

「──────」

こうやって2人で星を眺めるのは良いものだな。

お前も今、私と同じ気持ちでいるか?

そうだと良いな。

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