《MUMEI》 「雪が降ってきたな」 まるで舞い降りて来る天使のようだ。 「あ‥そうでした。お嬢様にこれを」 「何だ?」 「少し早いですが──」 「私にか‥?」 差し出された小箱を開けてみる。 中には何やら光る物が‥。 「おお、ブローチか?」 雪の結晶の形をした、銀色のブローチだった。 「──────」 可愛い。 「お気に召しましたか?」 「ああ。ありがとう」 大切にしよう。 私はそれを、そっと握り締めた。 前へ |次へ |
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