《MUMEI》

「‥‥‥‥‥‥‥」

私は今、彼の部屋の前に居る。

もう眠っている頃だろう。

その証拠に、扉の向こうからは物音ひとつしない。

さあ、行くのだっ。

「‥‥‥‥‥‥」

私はゆっくりと扉を開ける。

‥よし、眠っているな。

このまま上手く行く事を祈る。

ここで見つかっては、せっかくの計画が台無しだ。

「──嬢さ‥」

「!?」

起きたか‥?

‥いや、寝言のようだ。

驚いた‥。

「──────」

よし、これで安心だ。

「‥‥お嬢様‥?」

「!っ」

私はベッドの下に潜り込んだ。

「───────」

‥上から寝息が聞こえる。

何とか見つからずに済んだようだな‥。

よし。

では私は戻るとしよう。

また彼が目を覚まさない内にな。

だが

すっかり目が冴えてしまった‥。

丁度良い。

また

星を眺めるとするか。



***

番外編‐聖夜に星を‐終

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