《MUMEI》

「‥‥‥‥‥‥」

「お嬢様‥?」

「!?」

「大丈夫ですか?」

「ああ。‥少し陽に当たって来る」

私は裏庭の方へと回った。

春風が心地良い。

こんな時、陽だまりでまどろむのは最高だ。

「──────」

眠たくなるな‥。

‥少し眠るか。

「───────」

冬夜の足音が近付いて来たのだが、私はもう既に目を閉じて殆ど意識が無い。

フワリと身体が浮くような感覚がして、私は彼に軽々と抱き上げられてしまった。

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