《MUMEI》

そういえば──‥

「丁度こんな日だったな、私がお前と出会ったのは」

「覚えてて下さったんですね」

「ああ。今でもはっきりと覚えているぞ。お前はいきなり後ろから現れて──」

「そうでしたね」

「勝手に屋敷に入って行った」

「お嬢様はかなり怒ってらっしゃいましたっけ」

「ああ。お前のような執事は初めてだったから‥戸惑っていた」

「それでも今はこうやって一緒にいるのが普通になりましたね」

「ああ、そうだな──」

契約だったとはいえ結婚までしたのだから‥縁とは不思議なものだ。

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