《MUMEI》

「よっ!」


思いきってドアを開けると鈴木が立っていた。


「これ、やるっ」


鈴木から小さな紙袋を強引に渡された。


「急に何よ…」


「誕生日だろ?」


覚えてたんだ…


「昨日…あれから大丈夫だったか?」


鈴木から心配そうに聞かれて、嫌な記憶が蘇る。


「なんで私の事なんか心配するの?ほっといてよ!」


「ほっとけないよ……」


鈴木のその言葉に、私は嬉しくて涙がまたもや出そうになった。


「少し話さないか?」

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