《MUMEI》

「‥‥冬夜、もう良いだろう?」

「あ、すみません」

冬夜はようやく私の頭から手を放した。

全く‥。

髪がグシャグシャになったではないか‥。

「お嬢様」

「何だ‥?」

少しは離れろ‥っ。

「幸せですか?」

「‥‥ああ」

「そうですか、なら良かったです」

冬夜は相変わらず微笑を浮かべている。

何だかこちらまでおかしくなってしまって、私は思わず小さく笑ってしまった。

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