《MUMEI》
ひとつ、ふたつ、君。
毎日が淡々と過ぎ去ってゆく。





街を歩くと目に入ってくる風景がやけに懐かしく目に映る。





コンビニの前にたまって笑っている学生。





路地に入っていく子猫。





軒先にぶらさがって静かに音を鳴らす風鈴。





毎日見ている風景。





じっとりと汗が首をつたう。





知らないうちに夏が来ているんだと実感した。





―君は元気にしているだろうか?





毎日見ていた風景の中に君がいたんだ、あの頃。





あぁ、





この想いは消せない。





変わらないこの景色と一緒に、





君がいた。

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