《MUMEI》 鈴木の言葉に反発したい気持ちもあったが、鈴木が何を話すのかも興味があって部屋に入れた。 「コーヒーでいい?」 鈴木と面と向かうのが怖くて台所から話しかけた。 「うん…なんでもいい」 妙な沈黙が続く。 鈴木から話さないか、って言ったんだから、何か言えばいいのに…… 「はいコーヒー。ブラックでいいよね?」 「ありがとう」 そして、また沈黙。 なんか、すごい居心地悪い沈黙だなぁ… コーヒーを一口飲んで、私から話した。 「これ、プレゼント…ありがとうね…」 片手に持って見せて、とりあえずお礼を言った。 「私の誕生日なんて覚えてないと思ってた……」 「覚えてるよ!バレンタインなんて覚えやすいし」 覚えやすいから覚えてたってことね………なんだ。 「それに……今年のバレンタインまでには、お前の彼氏になりたいって思ってたから…」 前へ |次へ |
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