《MUMEI》
卒業
あの日以来、鈴木は私の前には現れなくなった。


「この間の昼休みに学食で鈴木くん見かけたで…」


なんて情報をのんちゃんから聞いたり、


「タツヤ君と鈴木君、今度ライブすんねんて…」


などと、リナさんからも噂は聞くけど、私の前からは忽然と姿を消した。




これで良いの…


鈴木の姿を見なければ苦しむこともない。


そのお陰で今は鈴木のことを思い出しても胸が痛まない。


そして思い出すこともなくなるんだ・・・


これで良かったんだ…


間違いじゃない。




そして鈴木の気配を感じることなく大学を卒業した。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫