《MUMEI》 未来――――――八年後。 「おめでとーっ☆」 みんなに祝福されながら、ウェディングドレスを着た新婦が歩いてくる。 「おめでと。なんか自分のことのように嬉しい!」 「ミキティも、早くイイ人を見付けやっ!」 のんちゃんから相変わらず励まされる。 「30歳までには結婚するわ!!あ、でもカウントダウン始まってるよぉ……ギャー、小川くん誰か紹介してっ!!」 「そう言われてもなぁ。俺の周りは、みんな結婚してるか、もしくは彼女いるし…」 小川くんが困った顔をすると横からのんちゃんが… 「ほら!あの人は?独身やし、それに・・・かなりミキティのタイプやと思うわ」 それに対し小川くんも、 「おぉ、あいつか!!たしかにあいつは長いこと彼女もいないし、それにカッコいい!!」 そして更にのんちゃんが… 「彼もミキティみたいな子タイプやと思う!!」 「それは間違いない!」 小川くんが力強く肯定する。 「ちょっと誰よそれ!そんな人がいたんなら、もっと早くに紹介してよねっ」 私がそう言うと、二人はニヤニヤしながら一点を見つめている。 その方向を見ると、スーツを着た短髪の爽やかな男性がいる。 「あの人……誰??」 そんな私の質問を無視して二人は私の背中を押す。 え?ちょっと… 戸惑いながらも私は男性の方に歩いていく。 男性は私の気配に気付き、私を見て、にっこり笑う。 あれは… 距離が縮まるにつれ、心臓の鼓動が激しくなる。 もしかして…… やっぱり。 「よっ!」 その男性は昔と同じように私に挨拶した。 そして私も笑顔で答える。 「久しぶりっ!」 【おわり】 前へ |次へ |
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