貴方の中の小悪魔
を知る神秘の占い《MUMEI》終わりの日。
“ふぅ、今日の夕飯は何にしよう…” 小夜子は少し疲れていた。忙しい彼の事を思い、彼の職場に近い所に住まいを設けた為、自分は往復3時間の通勤を余儀なくされていた。それでも自分達の結婚披露宴で、彼の上司が言った
“いやぁ、夜遅くなる事が多いと思うので助かりますよ。奥さんは、旦那思いですねぇ”
と言う言葉もあって、自分で無理をしているという実感は無かった。なにより、彼の役に立っているであろう自分が嬉しかった。
それでも、夜中の12時近くに帰ってくる彼を待ち、帰って来たら彼の分の夕飯の支度をする為、小夜子が寝るのはいつも夜中1時過ぎで、朝は6時には起きなければならなかった。
“少し疲れてるかな。結婚する前は、睡眠8時間だったもんなぁ。今は平均4時間半くらいかぁ。その点、あの人は朝9時に起きても、間に合うもんなぁ。チャリで5分だし…”
少し羨ましくもあったが、結婚してから自分の時間がかなり減ってしまった小夜子には、深く考えている暇は無かった。5時半に仕事を終え、買い物をして家に着くのは、どう頑張っても7時半だった。それから洗濯・料理をし、自分の夕飯を食べお風呂に入るとすでに11時を廻っている事がほとんどだった。
“よし、今日は麻婆豆腐にしよう。豆腐と葱はあるから挽き肉買って…後は海苔と溶き卵の中華風スープとキュウリとチョレギのサラダでいっか。早く買い物済ませなきゃ。”
今日の献立が決まり、小夜子は早い足取りで買い物を済ませ、家に着いた。
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