《MUMEI》

私が説明すると、冬夜は納得したらしい。

「そうだったんですか、ご主人様がお嬢様に‥」

「ああ。誕生日プレゼントだったのだが──」

「大切にしてらっしゃるんですね」

「ああ。あれには思い出があるからな」

「何だか羨ましいです」

「‥‥ああ、すまん」

「いえ、謝る事はないですよ。僕もご主人様には色々とお世話になりましたから──」

「そうか、父上はかなりお前を気に入っていたようだな」

私は何だか嬉しくなった。

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