《MUMEI》 「おお、ここに居たのか」 「あ、すみません。片付けをしていたもので。どうかなさいましたか?」 「こっちに来てくれ、冬夜。見せたいものがある」 私は冬夜の手を引いて彼を庭へと連れ出した。 何せ驚く事が起こった。 あの鳥籠──その中に、本当に鳥が入って来ていたのだ。 青い小鳥が。 「‥‥ぁ」 「驚いただろう?」 「青い鳥ですか、初めて見ました‥」 「そこで、ひとつ提案なのだが」 「はい、何でしょうか?」 「飼わないか、この小鳥を」 すると、冬夜は目を丸くした。 前へ |次へ |
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